授業の方針が育てる?デザイン力

私の通っている大学は授業1コマがなんと4時間!講義の合間や終了後にエクササイズやディスカッションが行われる機会がとても多い。授業にもよるが、だいたい講義1に対して、アクティブ・ラーニングは1以上行われているのではないだろうか。

 

私が当惑させられたのは、その際の自由度の高さだ。

例えばデザインにおける方法論を学ぶ授業では、午前中にいくつかのメソッドを講義で学ぶのだが、午後はそれらを自分のプロジェクトに応用する時間として割り当てられている。こういう手順でメソッドを応用しましょうね、このメソッドは絶対に試してみましょう、などという指示は一切なく、ただただ4時間が与えられる。日本であれば、エクササイズの説明や進め方が書かれたプリントが配られるであろうところなのに。

はじめの頃の私は不安でいっぱいだった。”What should we do first?(どこから始めるべきなのだろう?)” “Is this the right way?(これ正しい方法なのかな?)等という疑問が頭をかけめぐる。

エクササイズの後に各グループのアウトプットを聞くと、それらは非常に多様であり、中には「こんなのもあり!?」というようなものも含まれる。回数を重ねるにつれて気づいた。「正しい」進め方なんてない。

大事なのは、講義の内容を自分がどのように捉えて学びとするかということ。その学びを自分で使える形にどのように組み立てるかということ。「先生が紹介したメソッドは、このような特徴があるからきっとこういうもので、だからこうやって使うのがよさそうだね」という思考の働かせ方が少しずつ身についてきた。

 

この自分で捉え直し組み立てる、ということは、まさにデザインのエッセンスだ。

Wikipediaによると、

デザインとは具体的な問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3

例えばデザインプロセスにおいては、インタビューで得たユーザーの意見をそのまま取り入れるのではなく、その背後にあるユーザーの状況や真意を考えたりなどして解釈を行う必要がある。あるいはある問題が与えられている状況において、その原因をさぐったりより広い視野で見たりすることで、問題を捉え直し定義することが求められる。

 

制約の少ないエクササイズは「捉え直して組み立てる」力を育て、デザインを身近にしているのではないだろうか。そしてこれが、デンマーク人が高いクリエイティビティを持っている(と感じさせる)一つの所以ではないだろうか。